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コロナ・ワクチン・・・

 

主張

コロナ・ワクチン

「世界の公共財」として開発を

 新型コロナウイルスのワクチン開発が各国で進められています。安全で効果があることが前提ですが、価格が高すぎたり、供給が一部の国に偏ったりして手に入りにくいのではコロナ危機から人類を救うことになりません。世界保健機関(WHO)は5月の年次総会で医薬品の公平な分配を決議しています。世界のどこであれワクチンを必要とするすべての人に十分行きわたるよう国際協力の強化が求められます。

知財めぐり異を唱える米

 WHO総会決議は、新型コロナウイルス対策に必要な医療技術、医薬品への「普遍的で迅速、公平なアクセスと公正な配分を保証」することを求めました。ワクチンについては「安全で質が高く、効果的で入手しやすく、手ごろな価格」で「人々の健康を守る世界公共の有用物」でなければならないとしています。加盟国には、組織を超えた技術の結集、WHOとの情報共有を要請しました。

 新型コロナウイルスの感染を克服するには国際社会全体の取り組みが欠かせません。WHO総会決議の立場は当然です。それに異を唱えているのが米国です。

 米国政府は総会で決議には賛成しつつ、大手製薬企業の知的財産権を優先する立場からワクチンや医薬品の「公正な配分」に異を唱える文書を提出しました。「決議の文言はバランスを欠いている」「開発者に誤ったメッセージを送る」として不同意を表明しました。米国はその後、WHOからの脱退を発表しました。

 米政府は内外の大手製薬会社と、ワクチン開発の成功を前提に、事前の購入契約を結び、あらかじめワクチンを大量に確保しようとしています。同様の動きは他の大国でもみられます。大国が競ってワクチンを囲い込めば、自国で開発できない国はワクチンを十分得られないことになりかねません。国際NGO「国境なき医師団」は難民、移民を置き去りにしてはならないと訴えています。

 これまでも新薬の供給は世界の大問題でした。新薬は大抵、主要国の製薬会社が開発、製造します。医薬品の特許は、世界貿易機関(WTO)の「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(TRIPS協定)によって保護されることになっています。輸入に頼らざるをえない途上国は価格や入手数量で圧倒的に不利な立場です。

 途上国に対しては、公共の利益など一定の要件に当てはまればTRIPS協定を柔軟に解釈し、特許権者の事前承諾なしに特許技術を使うことができるとドーハ・ラウンド(多角的貿易交渉)で確認されました。しかし、米国のトランプ政権は、大企業の利益を優先する立場から抵抗しています。

市場の原理では救えない

 健康に生きる権利は国際条約に明記された人権の一つです。国際人権規約の社会権規約は「すべての者が到達可能な最高水準の身体および精神の健康を享受する権利を有する」と規定しています。医薬品が高価で入手できなかったり、一部の国に独占されたりして救えるはずの命を救えないことがあってはなりません。

 ワクチンが開発されても、供給を市場の原理に任せていたのでは新型コロナウイルスから人類を救えません。国際的な協力のあり方を考える必要があります。

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